無理なくできる家計改善：負債（借金・リボ払い）の整理・解消ステップ
家計管理を始めてみたものの、なかなかお金が貯まらない、節約しているはずなのに苦しいと感じることはないでしょうか。もしかしたら、その原因の一つに「見えない負債」があるかもしれません。
クレジットカードのリボ払いや、かつての借入などが積み重なり、毎月の返済負担が家計を圧迫している状態です。こうした負債がある場合、いくら節約を頑張っても、利息の支払いが貯蓄を妨げてしまいます。
「借金」と聞くと身構えてしまうかもしれませんが、実は多くの人がリボ払いやカードローンなどを利用した経験を持っています。重要なのは、それを特別なものと考えず、家計改善の一環として無理なく管理し、着実に解消していくことです。
この記事では、家計の重荷となりがちな負債を整理し、「貯まる体質」を築くための具体的なステップをご紹介します。
「貯まる体質」と負債の関係を理解する
当サイトのコンセプトである「貯まる体質」とは、単に節約してお金を貯めるだけでなく、収入と支出をしっかりと把握・コントロールし、将来に向けて計画的に資金を管理できる状態を指します。
この「貯まる体質」を築く上で、負債の存在は大きな障害となることがあります。特に金利の高い負債（リボ払い、カードローンなど）は、元金がなかなか減らず、支払う利息が雪だるま式に増えてしまうことがあります。これは、せっかく家計を改善しようとしても、その努力が利息の支払いに消えてしまい、貯蓄に回せるお金が減ってしまうことを意味します。
まずは、ご自身の家計における負債がどのような状態にあるのかを正確に把握することから始めましょう。これが負債管理の、そして「貯まる体質」への第一歩となります。
ステップ1：負債の全体像を「見える化」する
家計改善の最初のステップが支出の「見える化」であるように、負債管理における最初のステップは、ご自身の抱える負債の全体像を「見える化」することです。
ご自身が現在抱えている借入（クレジットカードのリボ払い残高、カードローン、キャッシング、教育ローンなど）を全てリストアップしてみましょう。
それぞれの借入について、以下の情報を確認してください。
- 借入先: どこの会社からの借入か
- 現在の残高: あといくら返済する必要があるか
- 適用金利: 年利何%か
- 毎月の最低返済額: 現在、毎月いくら返済しているか
これらの情報は、各借入先からの利用明細書や、会員向けのウェブサイト、スマートフォンアプリなどで確認できます。複数の借入がある場合は、それぞれの情報を書き出し、合計の借入残高を把握しましょう。
この作業によって、ご自身の負債がどのくらいあり、毎月いくらが返済に充てられているのかが明確になります。これが、今後の返済計画を立てるための基盤となります。
ステップ2：返済の優先順位を決める
負債の全体像が見えたら、次にどの負債から優先的に返済を進めるかを検討します。特に複数の負債がある場合に有効な考え方です。
返済の優先順位を決める一般的な戦略として、金利の高いものから優先して返済する方法があります。これは、金利が高い負債ほど、支払う利息の総額が大きくなるため、それを早期に返済することで将来的な金利負担を減らせるという考え方に基づいています。
ステップ1で確認した金利情報を見ながら、最も金利の高い負債を特定しましょう。そして、その負債に対して、最低返済額以上の金額をできるだけ多く充てて返済を進めることを目指します。他の金利の低い負債については、最低返済額のみを支払うようにします。
一つの負債を完済できたら、次に金利の高い負債に照準を移し、同様に追加返済を行っていきます。この方法で進めることで、効率的に負債総額と金利負担を減らすことができます。
ステップ3：具体的な返済計画を立てる
優先順位が決まったら、具体的な返済計画を立てましょう。
家計を見直し、毎月の返済にどれだけ追加で充てられるかを確認します。固定費の見直しや、買い物の仕方を見直すなど、無理のない範囲で返済に回せるお金を捻出する方法を検討してみましょう。既に他の記事でご紹介している家計改善のステップが役立ちます。
例えば、「毎月、最低返済額に加えて〇〇円を追加で返済する」といった具体的な目標金額を設定します。この追加分が、元金を減らすスピードを速め、結果として支払う利息総額を減らすことにつながります。
インターネット上には、借入残高、金利、毎月の返済額を入力することで、完済までの期間や支払う利息総額を計算してくれる返済シミュレーションツールが多数あります。これらを活用して、追加返済の効果を確認し、モチベーションを維持するのも良い方法です。
焦る必要はありません。まずは少額からでも良いので、毎月少しずつ追加で返済することを目標にしてみてください。
ステップ4：新たな負債を作らない習慣をつける
負債を解消するための計画を進めることと同時に、これ以上新たな負債を増やさないようにする習慣を身につけることが非常に重要です。
- 予算管理の徹底: 毎月の収入の中で、何にいくら使えるかを事前に計画し、その範囲内で支出をコントロールします。予算を超えそうな場合は、借入に頼るのではなく、支出を調整することを考えます。
- 衝動買いの防止: 欲しいものを衝動的に購入する際に、借入に頼ってしまうことがあります。本当に必要か、予算内か、一度立ち止まって考える習慣をつけましょう。
- キャッシュレス決済の理解: クレジットカードやQRコード決済は便利ですが、利用額や引き落とし日を正確に把握し、計画的に利用することが大切です。特にリボ払いは、安易な設定になっていないか、利用する際は金利や手数料を十分に理解することが不可欠です。
「貯まる体質」は、入ってくるお金と出ていくお金、そして将来への備えをコントロールできる状態です。負債をこれ以上増やさないことは、この体質を維持・強化するために欠かせません。
結論：一歩ずつ着実に、将来の安心へ
負債の管理・解消は、家計改善の中でも特に重要であり、将来「貯まる体質」を築くための基盤となります。
まずは、ご自身の負債の全体像を正確に把握することから始めましょう。借入先、残高、金利、返済額をリストアップし、「見える化」することが第一歩です。
次に、金利の高いものから優先して返済を進める計画を立て、毎月少しでも良いので追加返済を試みてください。この積み重ねが、確実に負債を減らし、支払う利息を抑えることにつながります。
そして、何よりも大切なのは、新たな負債を作らない習慣を身につけることです。予算管理や支出コントロールを徹底し、計画的なお金の使い方を心がけましょう。
負債の解消には時間がかかるかもしれませんが、一歩ずつ着実に進めることが重要です。負債が減るにつれて、家計に余裕が生まれ、貯蓄に回せるお金が増えていくことを実感できるでしょう。これは、将来への漠然とした不安を軽減し、希望を持って家計管理を続けるための大きなモチベーションになります。
焦らず、ご自身のペースで、このステップに取り組んでみてください。着実に負債を管理・解消することで、あなたの家計はより強く、「貯まる体質」へと変わっていくはずです。