無理なく続ける貯蓄習慣：自動積立で「貯まる体質」を作る方法
家計改善を進める中で、「貯まる体質」を作ることは多くの方が目指す目標です。収入や支出を把握し、無駄を減らす努力をされていることと思います。その次の大切な一歩が、「貯蓄を習慣化すること」です。
しかし、毎月手動で貯蓄に回すのは忘れがちだったり、つい使ってしまったりと、なかなか続けられないと感じている方もいらっしゃるのではないでしょうか。意志の力だけに頼る貯蓄は、無理が生じやすく、続けることが難しくなることもあります。
「貯まる体質」における貯蓄の重要性
「貯まる体質」とは、単に節約するだけでなく、収入と支出をコントロールし、将来のための資金を計画的に管理できる状態を指します。そのためには、毎月一定額を確実に貯蓄に回す仕組みが不可欠です。
貯蓄を無理なく続けるための「自動積立」とは
そこでおすすめしたいのが、「自動積立」の仕組みを利用することです。自動積立とは、給与が振り込まれたタイミングなどで、あらかじめ設定した金額を自動的に貯蓄用の口座へ移す方法です。一度設定してしまえば、意識することなく継続的に貯蓄が進みます。
自動積立を活用することで、以下のようなメリットが得られます。
- 無理なく続けられる: 手動で振り分ける手間が省け、意志力に頼る必要がありません。
- 確実に貯まる: 設定した金額が自動的に積み立てられるため、貯蓄計画が実行されやすくなります。
- 「あれば使ってしまう」を防げる: 貯蓄用のお金が最初から分けられるため、衝動的な支出を抑えられます。
まさに、「無理なく続けられる」家計改善、そして「貯まる体質」を作るための強力なツールと言えます。
自動積立で貯蓄を習慣化する具体的なステップ
それでは、自動積立を使って貯蓄を習慣化するための具体的なステップを見ていきましょう。
ステップ1：無理のない貯蓄目標額を設定する
まずは、毎月いくら貯めたいかを決めます。ただし、家計管理を始めたばかりであれば、あまり無理な金額を設定する必要はありません。例えば、手取り収入の1割や、毎月確実に残せそうな少額（1万円など）から始めるのが良いでしょう。重要なのは、「続けること」です。
目標額は、現在の収入や支出、将来の貯蓄目標などを考慮して決めますが、難しく考えすぎず、まずは「これならできそう」と思える金額からスタートしてください。慣れてきたら、徐々に見直していくことも可能です。
ステップ2：積立方法を選ぶ
自動積立にはいくつかの方法があります。
- 銀行の自動積立定期預金: 毎月指定日に普通預金から定期預金へ自動的に資金を移動させるサービスです。多くの銀行で利用できます。
- 会社の財形貯蓄制度: 会社によっては、給与やボーナスから天引きで貯蓄ができる制度があります。給与から天引きされるため、最も意識せずに貯められる方法の一つです。
- 証券会社の自動積立サービス: 投資信託などを毎月一定額自動で購入するサービスですが、これも資金が自動的に引き落とされる仕組みを利用できます。将来的に資産運用も検討したい場合に有効です。
ご自身の働き方や利用している金融機関に応じて、最も利用しやすい方法を選びましょう。初心者の方には、まず銀行の自動積立定期預金や会社の財形貯蓄が手軽でおすすめです。
ステップ3：自動積立の手続きを行う
選んだ積立方法に応じて、金融機関や会社の担当部署で手続きを行います。
- 銀行の場合: インターネットバンキングで手続きできる場合が多いです。難しい場合は、窓口で相談することも可能です。積立開始日や金額、引き落とし口座などを設定します。
- 会社の場合（財形貯蓄）: 会社の総務部や人事に相談し、申込書を提出します。
手続き自体はそれほど複雑ではありません。分からない点は、ためらわずに金融機関や会社の担当者に質問してみましょう。
ステップ4：積立用口座を「見えにくく」する工夫
自動積立を設定した貯蓄用口座は、普段使う生活費用の口座とは別に管理することをおすすめします。キャッシュカードをあえて作らない、インターネットバンキングですぐに目に触れないように設定するなど、「いつでも引き出せる」という状態を避ける工夫をすることで、より確実に貯蓄が進みます。
これは、物理的に貯蓄したお金を意識しにくくすることで、「貯まっている」という安心感は得つつも、安易に使ってしまう誘惑から距離を置くための方法です。
ステep5：定期的に貯蓄状況を見直す
自動積立は放っておけるのが利点ですが、年に一度など、定期的に貯蓄が順調に進んでいるか、あるいは積立額を増やせそうかなどを見直す機会を設けることも大切です。家計全体の状況や将来の目標に合わせて、柔軟に計画を調整してください。
まとめ：自動積立で着実に「貯まる体質」へ
家計改善の取り組みは、支出を減らすことだけでなく、計画的に貯蓄を増やしていくことも重要な柱です。自動積立は、無理なく、確実に貯蓄を習慣化するための有効な手段です。
ご紹介したステップを参考に、まずは少額からでも自動積立を始めてみてください。一度仕組みを作ってしまえば、日々の努力感を伴わずに、着実に貯蓄を増やすことができます。
自動積立によって毎月確実に貯蓄が進むようになれば、それが自信となり、さらに家計管理へのモチベーションにもつながるでしょう。将来への漠然とした不安を和らげ、計画的に資産を築いていく第一歩として、ぜひ自動積立の活用を検討してみてください。