貯蓄体質改善プログラム

無理なく続けられる家計改善:収入を正しく把握する最初のステップ

Tags: 家計管理, 収入, 手取り, 家計改善, 初心者

家計改善に取り組もうと考えたとき、多くの方はまず「どうすれば支出を減らせるだろうか」と、日々の出費に目を向けがちかもしれません。もちろん支出管理は非常に重要ですが、家計の全体像を捉えるためには、まず「いくら収入があるのか」を正確に把握することが不可欠です。

「収入なんて、給与明細を見れば分かるのではないか」と思われるかもしれません。確かにその通りですが、ここで言う「正確に把握する」とは、額面だけではなく手取り額はもちろん、収入源が複数ある場合の合計額、さらには年間の収入変動まで含めて、ご自身の家計に入ってくるお金の流れを漏れなく、かつ現実的に捉えることを指します。

「貯まる体質」を作る土台としての収入把握

家計が「貯まる体質」になるためには、単に節約するだけでなく、収入と支出のバランスを適切に管理できる状態を目指すことが大切です。このバランスを見る上で、収入は家計という器に注がれる「水」のようなものです。この「水」がどれくらいの量で、どの蛇口から流れ込んでいるかを正確に知らなければ、器から溢れさせないように、あるいは目的の量を貯められるように調整することはできません。

収入を正確に把握することは、その後の支出管理や貯蓄計画を現実的なものにするための最初の、そして最も確実な土台となります。

収入を正しく把握するための具体的なステップ

それでは、どのようにすれば収入を正しく把握できるのでしょうか。無理なく続けられる具体的なステップをご紹介します。

ステップ1:収入源をすべてリストアップする

まずは、ご自身の家計に収入をもたらしている「源」をすべて洗い出してみましょう。

など、金額の大小に関わらず、ご自身の家計に実際に入ってくるお金の発生源をすべてリストアップします。

ステップ2:各収入源の「手取り額」を確認する

リストアップした収入源ごとに、実際に手元に入ってくる「手取り額」を確認します。

特に給与所得の場合、額面金額から所得税や住民税、社会保険料などが天引きされた後の金額が、実際に使えるお金、つまり手取り額となります。この手取り額こそが、家計管理の基盤となる収入です。

ここで大切なのは、額面金額ではなく、実際に家計の口座に入金される、あるいは手元に現金として残る金額を把握することです。

ステップ3:定期的な収入と不定期な収入を区別する

確認した収入を手取り額で把握したら、次に「定期的に入ってくる収入」と「不定期な収入」に分けます。

家計管理の計画を立てる上では、定期的な収入を基本として考えることが現実的です。不定期な収入は、あればラッキーくらいの気持ちで、貯蓄や特別費など、計画的な使い道のために確保しておくのがおすすめです。

ステップ4:年間の収入変動を把握する(余裕があれば)

さらに一歩進んで、年間の収入の変動を把握すると、より詳細な家計計画が立てやすくなります。

例えば、年2回のボーナスがある方、特定の時期に副業収入が増える方、年払いの配当金がある方などは、月々の収入は一定でも、年間で見ると収入が多い月と少ない月があるはずです。過去1年程度の給与明細や通帳記録を振り返り、大まかな年間の収入計画を立ててみることも有効です。

収入を正確に把握することで得られるメリット

これらのステップを通して収入を正確に把握すると、以下のようなメリットがあります。

無理なく続けるためのヒント

収入把握は一度行えば終わりではありません。給与の変動や副業の開始など、収入状況は変化する可能性があります。年に一度、あるいはライフイベントがあった際など、定期的に収入の確認とリストアップを見直す習慣をつけるのが理想的です。

まずは、直近の給与明細をじっくり見て手取り額を確認することから始めてみましょう。そして、ご自身の収入源をリストアップしてみてください。難しく考えず、この小さな一歩を踏み出すことが、家計改善の確かなスタートとなります。

まとめ

家計を「貯まる体質」にするための第一歩は、ご自身の家計に「いくら入ってくるのか」、つまり収入を正確に把握することです。

額面ではなく手取り額に着目し、全ての収入源をリストアップし、定期・不定期を区別することで、ご自身の収入の全体像が見えてきます。これは、その後の支出管理や貯蓄計画を現実的に進めるための、最も大切な土台作りです。

収入を正確に把握することは、漠然としたお金の不安を減らし、家計管理を前向きに進めるための確実な一歩となります。まずは難しく考えず、ご自身の収入状況を確認することから始めてみてください。この積み重ねが、無理なく続けられる家計改善、そして将来への安心につながっていくはずです。