無理なく家計改善:見落としがちな固定費(サブスク)を見直すステップ
家計を見直して「貯まる体質」になりたいけれど、何から始めれば良いか分からない、節約は我慢が多くて続かなさそう、と感じていらっしゃる方も多いのではないでしょうか。特に、毎月自動で引き落とされる支出は、意識から外れてしまいがちです。こうした「見落としがちな固定費」の中に、家計改善のヒントが隠されています。
「貯まる体質」とは何か
私たちが目指す「貯まる体質」とは、単に支出を切り詰めることだけを指すのではありません。これは、収入と支出のバランスを正確に把握し、コントロールできるようになる状態です。計画的にお金を管理することで、漠然とした将来への不安を軽減し、必要な貯蓄を無理なく進められるようになることを意味します。
そして、「貯まる体質」を作るための最初の、そして非常に重要なステップの一つが、支出を「見える化」し、特に無意識に使っているお金を把握することです。
見落としがちな固定費が家計に与える影響
家計の支出は大きく分けて、住居費や通信費、保険料などの「固定費」と、食費や光熱費、娯楽費などの「変動費」があります。一般的に、家計改善においては金額が大きい固定費の見直しが効果的と言われます。
しかし、最近増えているのが、サブスクリプションサービスなどの「見落としがちな固定費」です。月額数百円から数千円と一つ一つは少額でも、いくつか契約していると積み重なり、年間では大きな金額になります。しかも、自動引き落としのため、一度契約するとその存在すら忘れてしまいがちです。
これらの「隠れた支出」を見直すことは、大きな我慢をせずに支出を減らすための、無理なく続けられる家計改善のステップとなり得ます。
見落としがちな固定費を見直すステップ
ステップ1:現在の契約状況を洗い出す
まずは、現在契約しているサブスクリプションサービスや、使っていないけれど会費を払い続けているサービスがないか、全てリストアップしてみましょう。
- クレジットカードの明細を確認する: 毎月の引き落としの中に、定期的なサービス利用料がないか確認します。
- 銀行口座の引き落とし履歴を確認する: クレジットカード以外のサービスで、銀行口座から直接引き落とされているものがないか確認します。
- アプリの購入履歴や設定を確認する: スマートフォンやタブレットの設定画面から、定期購入しているアプリやサービスがないか確認できます。
- メールの受信履歴を検索する: 契約時や利用に関するお知らせメールを「サブスク」「定期購入」「月額料金」などのキーワードで検索すると、忘れていたサービスが見つかることがあります。
この段階では、利用状況や必要性は考えず、まずは「何に」「いくら」「毎月(あるいは毎年)」支払っているかを全て書き出すことが重要です。簡単なメモでも、スプレッドシートでも構いません。
ステップ2:洗い出した固定費を分類する
リストアップができたら、それぞれのサービスについて、以下の基準で分類してみましょう。
- 必須(生活に不可欠): 電気、ガス、水道など。
- 必要だが代替可能/より安価なプランがある: スマートフォン料金、インターネット料金、一部の保険など。
- 利用しているが、なくても困らない: 動画配信サービス、音楽配信サービス、有料アプリ、使っていない習い事の月謝、フィットネスジムの会費など。
- 全く利用していない: 契約したけれど使っていないサービス全般。
この分類によって、削減の余地がある支出が明確になります。
ステップ3:不要な固定費を見直す行動を起こす
分類ができたら、具体的な行動に移しましょう。
- 全く利用していないサービス: 即座に解約手続きを行います。解約方法が分からない場合は、サービスの公式サイトやカスタマーサポートに問い合わせます。
- 利用しているが、なくても困らないサービス: 本当にその価値に見合う頻度で利用しているか、他の無料または安価なサービスで代替できないかを検討します。利用頻度が低い場合は、思い切って解約を検討します。期間限定で「お試し解約」してみるのも良いでしょう。
- 必要だが代替可能/より安価なプランがあるサービス: より安いプランへの変更や、他社への乗り換えを検討します。特に通信費(携帯電話、インターネット)や保険料は、見直しによって大きく固定費を削減できる可能性があります。
見直しの際は、「全てを諦める」のではなく、「自分にとって本当に必要なもの、価値のあるもの」だけを残す、という視点を持つことが無理なく続けるための鍵です。
ステップ4:見直し効果を確認し、定期的にチェックする
見直しを行った後は、実際に支出がどのように変化したかを確認しましょう。クレジットカードの明細や銀行口座の履歴を再度確認することで、削減効果を実感できます。この小さな成功体験が、家計改善を続けるモチベーションになります。
また、契約サービスは増減する可能性があります。半年に一度や一年に一度など、定期的にこの固定費の見直しプロセスを行う習慣をつけましょう。
まとめ
見落としがちなサブスクリプションサービスなどの固定費を見直すことは、家計改善の最初のステップとして非常に有効です。一つ一つの金額は小さくても、積み重なると家計を圧迫する原因となります。
今回のステップで、まずは「洗い出し」「分類」「見直し」という具体的な行動を起こしてみてください。これにより、無意識の支出を減らし、無理なく「貯まる体質」への第一歩を踏み出すことができるはずです。
家計管理は一度行えば終わりではなく、続けることに意味があります。定期的な見直しを通じて、ご自身の支出をコントロールできるようになり、将来に向けた貯蓄を計画的に進めていきましょう。一歩ずつ着実に進めることで、漠然としたお金の不安を希望に変えていくことが可能です。